若狭の交通・観光と鳥瞰図
北陸新幹線は現時点では平成35(2023)年春に金沢~敦賀までの開業が予定されているが、その先大阪までのルートと開業日程が未定のため、本書では若狭地方の交通・観光や鳥瞰図作成状況については割愛している。ここでは、簡単に紹介する。
若狭湾に沿って走る鉄道・小浜線は、明治期に敦鶴線(とんかくせん)と呼ばれて計画されたが、実際の着工は大正4(1915)年5月で小浜駅開業は大正7年11月10日、新舞鶴まで全通したのは大正11年12月20日であった。私鉄は、かつての鯖街道を想起させる近江・京都とを結ぶ複数の構想や計画が建てられたが、実現には至らず、嶺北(福井県北部)にみられるような私鉄の沿線鳥瞰図が作成されることはなかった。
しかし、大正末から昭和の観光ブームでは、若狭地区で小浜線が果たした役割は大きく、2本の京都への直通列車と合わせて夏期の避暑観光は賑わった。
もともと若狭は、三方五胡や小浜の蘇洞門、多数の国宝を有する古刹と観光資源が豊富であり、さらに、昭和2年に若狭高浜が屋島 (香川県)や鞆の浦(広島県)とともに日本二十五勝に選ばれたこともあり、多くの観光絵葉書や名所案内や都市鳥瞰図が作成され残された。
現存する若狭の鳥瞰図を紹介しておこう。(順不同)
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吉田初三郎・わかさ小浜(昭和8年)